20代のころ、給料日前になると友人との飲み会で恒例のイベントがありました。
「漢気じゃんけん」です。
ただし、勝った人が全員分を奢るわけではありません。
勝った人がクレジットカードを切ります。
みんな給料日前で手元に現金がない。
そこで勝者がクレジットカードでまとめて会計をして、ほかのメンバーは自分の飲み代を現金で渡します。
するとカードを切った人の手元には、その場で現金が入ってきます。
もちろん翌月にはカードの請求が来ます。
お金が増えたわけでも、何かが解決したわけでもありません。
ただ、その瞬間だけは現金が手に入る。
そのために、誰がカードを切るか真剣にじゃんけんしていました。
今振り返ると登場人物全員頭が悪いですが、みんな真剣でした。
それくらい、給料日前にはお金がありませんでした。
当然、貯金もほぼゼロ。
そんな自分でも、その後なんとか100万円を貯めることができました。
ただ、最初から効率のいい方法を知っていたわけではありません。
むしろ、かなり遠回りしています。
今回は、そんな自分が貯金0から100万円までたどり着いたころの話です。
給料日前は「漢気じゃんけん」
当時は「貯金できない」というより、
給料を使い切るのが普通になっていました。
給料が入る。
飲みに行く。
遊ぶ。
欲しいものを買う。
そして給料日前になると、お金がない。
また給料が入る。
その繰り返しです。
「今月こそ少し残そう」と思っても、結局ほとんど残りません。
100万円どころか、10万円を残しておくことすら遠く感じていました。
そんな状態なので、給料日前の飲み会では例の漢気じゃんけんです。
誰も余裕があるわけではない。
だからこそ、カードを切って現金を手に入れられる人をじゃんけんで決める。
今なら、
「飲みに行かず、その金を貯めろ」
で終わる話です。
でも当時の自分たちに、そんな発想はありませんでした。
貯金しようと思って始めたのが500円玉貯金
そんな自分でも、さすがに少しくらい貯金した方がいいと思うようになります。
そこで最初に始めたのが、
家計簿でも、
固定費の見直しでもなく、
500円玉貯金でした。
500円玉を使わずに取っておいて、箱に詰めていく。
最初は単純に「貯金しよう」と始めたはずでした。
ところが、だんだん500円玉が箱に並んでいくこと自体が楽しくなってきます。
1枚増える。
また1枚増える。
少しずつ箱が埋まっていく。
貯金というより、500円玉でオブジェを作っているような感覚でした。
そして、そのうち500円玉を集めるために支払い方まで考えるようになります。
例えば会計が1,400円なら、2,000円を出す。
お釣りは600円。
500円玉が1枚手に入ります。
それを持ち帰って箱に入れる。
またオブジェが少し大きくなる。
これが妙に楽しかった。
今考えると、かなり非効率です。
カードで払えばポイントもつくのに、500円玉が欲しくてわざわざ現金で払う。
しかも財布に入っていたお金を箱に移しているだけなので、それだけで資産が増えるわけでもありません。
合理的な貯金方法とは程遠い。
回り道を真剣に走っていました。
それでも、自分にとっては一つ大きな変化がありました。
それまでお金は基本的に**「使うもの」**でした。
そんな自分が初めて、
「貯めるのも意外と楽しい」
と思えるようになったことです。
それでも100万円は遠かった
もちろん、500円玉を集め始めたからといって、急にお金が貯まり始めるわけではありません。
根本的なお金の使い方は、まだ大きく変わっていませんでした。
給料が入れば使う。
飲みにも行く。
遊びにも行く。
少し貯まったと思ったら、また何かに使う。
増える。減る。また増やす。
その繰り返しです。
10万円貯まっても、100万円まではあと90万円。
20万円になっても、まだあと80万円。
何かあれば、そこからまた減ります。
100万円がなかなか近づいてきません。
今振り返ると、最初の100万円が遠かった理由は、お金が少なかったからだけではないと思います。
それまでずっと、
「入ってきたお金は使う」
という生活をしていたからです。
100万円を作るには、お金を100万円集める前に、
「使わずに残す」という習慣を作る必要がありました。
自分の場合、そこに一番時間がかかりました。
「使い切る」が少しずつ「残す」に変わった
何か劇的な出来事があって、突然貯金できるようになったわけではありません。
相変わらず遊ぶ。
飲みにも行く。
でも、少しずつ感覚が変わってきました。
お金が残っていると、
「これ、使わずに残しておこう」
と思えるようになった。
残高が増えると、ちょっとうれしい。
すると、もう少し増やしたくなる。
最初は500円玉が箱に増えていくのを喜んでいただけでした。
それが少しずつ、お金そのものが残っていることを楽しめるようになった。
だからといって、きれいな右肩上がりではありません。
貯めては使う。
減ったらまた貯める。
何度も行ったり来たりしました。
それでも以前より少しずつ残るようになり、
ようやく100万円に届きました。
給料日前には手元の現金がなくなり、
「今日、誰がカード切る?」
と友人とじゃんけんしていた自分にも、100万円を残すことができました。
最初から正しい方法を知っていたわけではありません。
完璧に節約したわけでもない。
最初にやったことなんて、500円玉を箱に詰めてオブジェにすることです。
それでも、
「給料を使い切るのが当たり前」だった状態から、「お金を残すのが当たり前」に少しずつ変わっていった。
100万円という金額以上に、自分にとってはそこが大きかったと思います。
回り道を真剣に走った0→100万円
給料日前になると、友人との飲み会で漢気じゃんけん。
勝った人がクレジットカードを切って、みんなから現金を集める。
そこから貯金しようと思って始めたのが、500円玉貯金。
500円玉が欲しくて、ポイントのつくカードではなく現金で払う。
今なら、もっと効率のいい方法はいくらでも思いつきます。
でも当時の自分は、そんなことを知りませんでした。
回り道を真剣に走っていました。
それでも500円玉が増えていくのを見て、初めて「貯めるのも楽しい」と思えた。
少しずつ「使い切る」が「残す」に変わっていった。
そして、ようやく100万円。
今振り返ると、自分にとって最初の100万円は、
効率よくお金を増やした結果ではなく、お金との付き合い方が少しずつ変わっていった結果
だったんだと思います。
今振り返ると感慨深い遠回りでした。
でも、今思えば積み上げる楽しさの土台はここから始まっていたのかもしれません。






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